さて、いよいよ淡路見学最終回となりました。
今回は、伝統の受け継がれ方を、レポートいたします。

まずは、讃岐の瓦屋根を思い浮かべてください。棟や隅棟、下り棟などに凸凹がついた熨斗瓦や、模様の入った瓦を使っていたりします。このような瓦を瓦屋さんは‘道具物’と言います。そして、この道具物を製造しているのが「谷池健司製瓦所さん」(紐熨斗屋さん)をはじめとする熨斗屋さんです。
紐熨斗屋さんには、始めて伺います。案内されていくと、淡路に行くとよく通る道ぶちにありました。(なんと)。
「始めまして・・・」 「始めまして・・・」 「・・・・」 両者緊張です。
さあ、見学開始です。とにかく、道具物は数が多いです。加えて、地瓦のサイズによって寸法が異なりますので、さらに倍って感じで、増えていきます。在庫の管理が難しいと思います。では、瓦をプレスする金型をご覧下さい。

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こんなラックが、いくつもありました。とにかくたいへんな数です。そしてびっくりしたのが、この金型、持ち上げようとしても微動だにしません。持ち上がらないのでよく解りませんが60〜80kgは有るのではないでしょうか?手動のリフトで運ぶそうです。そしてセットするのはこの機械。

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金型を中央部にセットし、プレスします。実はこの機械、香川県三豊市仁尾町で製造されているんですって、びっくりしました。‘仁尾町出身、淡路でがんばれ。お前が作った紐熨斗は、お前の故郷でがんばっているぞ〜’と、エールを送りました。そして作っているのが、このお姉さん方。

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この日は、松皮菱熨斗を作っていました。私共も使います。このお姉さん方、無駄な動きは一切致しません。この道何十年いや、半世紀?でしょうか・・・。なぜか温かみを感じました・・・。以前、工場見学でガンガン機械が製造していたのも見ましたが、これも‘あり’だな〜と思いました。


次に、またまた舞い戻ってきました、鬼屋さん。先ほどは、丁度お昼休みだったので、作業をしていなかったのですが、やってました、緊迫した中‘ん!なんじゃい’って、ちょっと怖かったです。では、公開、これが鬼師だ。

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すみません、ちょっと顔が見える?これも、伝統紹介の為だとお許しください。この日も、色々な物を作っています。ここも手作り。
やはり、大事な所は、人間の手が必要だということを、痛感させられました。そして、もっと大事なのが熟練者達の‘かん’です。土の配合に始まり、乾燥・焼成後のねじれ具合、縮み具合、それらは、代々受け継がれた物、そして磨かれた技術です。

・・・大事にして行きたいものです・・・